GoodRun! Magazine
INSIDE STORY #03 | 対談:CTO瀬川との出会い

INSIDE STORY #03 | 対談:CTO瀬川との出会い

GoodRun編集部

GoodRun!のCTO (最高技術責任者)  瀬川との出会いは、仲間になるか、ライバルになるかの境目に立たされた瞬間であった。

当時、GoodRun!はクラウドファンディングの最中にあり、 社会課題の仮説も、事業構想も描けている。 一方で、プロダクト開発は外注に依存し、失敗に失敗を重ねていた。 時間とコストは消耗し、意思決定と実装の距離は広がる一方だった。

そんな中で現れたのが、のちにGoodRun! CTOとなるエンジニアの瀬川である。 彼は、全く別の地で、GoodRun!と変わらない社会課題とビジネスモデルを見据え、 すでにアプリと管理画面を「ひとりで」作り上げていたという。

どちらかが一歩引けば、競合として進む未来もあった。 それでも二人は、同じ舟旅を選んだ。 その最初の対話が行われた、駒沢オリンピック公園での出会いを振り返る。

対談

古川 瀬川さんと最初にお会いしたのは、世田谷区の駒沢オリンピック公園でした。

瀬川 はい。古川さんのGoodRun!のクラウドファンディングを見つけたとき、言葉どおり 驚愕しました。  私がやろうとしていたビジネスモデルも、課題意識も、目指している着地点も、 驚くほど重なっていたんです。これはもう、 「一緒にやるか」「競合として戦うか」 どちらかしかない。一度、直接会って話さないといけないなと。

古川 つくばから、わざわざ都内まで会いに来てくださいました。 正直、最初は身構えていましたね。 経歴も実績も、いわゆる“ゴリゴリのエンジニア”が営業に来る、と勘違いしていました。しかし話していくうちに、あれ?営業じゃないぞ、ビジョンも、理念も、熱量も同じ。そして全く同じ未来を見据えている、ダメ押しにGoodRun!アプリのデモページがすでに完成していて(笑)初対面なのにかなり熱く話し込んだのを覚えています。

すでに完成していた衝撃

瀬川 はい。個人開発ではありましたが、最低限、運用を想定した形までは作っていて、GoodRun!とまったくおなじビジネスモデルを描いていました。

古川 あのとき僕は、外注開発でかなり疲弊していました。構想はあるのに、実装を外注に依存しているがためにうまく連携が取れず、想いもなかなか伝わらず、狙ったプロダクトが作れない。

瀬川 よくある初期スタートアップの失敗パターンですね。意思決定権が現場にない場合や、熱量をプロダクトに落とし込めない場合、結果、スピードも品質もコントロールできなくなる。

古川 まさにその状態でした。そして頭の片隅では、同じ想いを持つ仲間が必要だと。そこに現れたのが、瀬川さんでした。

役割分担の合意

瀬川  最初に提案したのは役割の切り分けでしたね。「誰が、どこまで責任を持つのか」。私はCTOとしての役割とその責任を全うさせていただきたい旨、お伝えしました。

古川  瀬川さんは最初から明確でしたね。 「技術とプロダクトの意思決定は、自分が引き受けたい」と。

瀬川 プロダクトは、責任の所在が曖昧になると必ず崩れます。だから、CTOとして技術的な最終意思決定と実装責任は自分が持つ。その代わり、マーケや社会実装の方向性、グロースの方法は古川さんに任せる。

古川  その一言で、こちらの腹も決まりました。この人は、責任から逃げない。任せられる。そう直感的に思えた瞬間でした。だから、ほとんど間を置かずに、「一緒にやりましょう」と返答したのだと思います。個人的に、もうひとつ強く印象に残っていることがあります。それは、瀬川さんが私と同じ福岡出身であることを、最初に言わなかったことです。先にそれを明かしていれば、アイスブレイクにもなるはずだし、仲間意識を演出したりすることは、きっと簡単だった。それでも、そうしなかった(笑)。出身地や共通点に頼らず、あくまで「思想」と「プロダクト」と「覚悟」で向き合おうとしていた。その姿勢に、エンジニアとしてだけでなく、ひとりのビジネスパーソンとしての誠実さを感じました。

プロダクト開発の先にあるもの

古川   あらためて瀬川さんにとってGoodRun!を通して、もっと言えば開発を通して、どんな社会にしたいですか。

瀬川 一言で言うなら、「特別な説明を必要としない社会」です。ドッグランに限らず、今の多くの公共空間は、個人の善意やマナー、経験値に委ねられすぎていると感じています。それは一見、自由で成熟した状態に見えますが、実際には“分かっている人だけが使える空間"を生んでしまっている。

古川 そう、同時に 「ちゃんとしている人ほど疲れていく構造」になっていますよね。

瀬川 そうなんです。本来、健全なインフラというのは、利用者がいちいち考え込まなくても、無意識のうちに正しい行動が選ばれる設計になっているべきです。GoodRun!の開発を通して実現したいのは、「注意書きを読まなくても成立する世界」「初めて来た人でも、緊張せず、不安なく使える環境」そうした"摩擦のない体験”を、仕組みとして実装すること。そんな世の中にしていきたいです。